白物家電の出荷金額は3ヶ月ぶりのマイナス

日本電機工業会(JEMA)は2023年7月度の民生用電気機器の国内出荷実績を発表した。
2023年7月度の国内出荷金額は2,429億円、前年同月比85.8%と3ヶ月ぶりのマイナスとなった。

JEMA 民生用電気機器国内出荷 金額動向 2023年7月

大型白物家電はいずれもマイナスに

製品別の国内出荷金額を見ると、エアコンは968億円(同77.2%)と2ヶ月連続のマイナスとなった。昨年は6月に例年より早く猛暑が訪れたものの、7月中旬から暑さが続かずエアコン販売は伸び悩んだ。今年は7月から記録的な猛暑が続き、月次売上速報を公表している家電量販店各社を見る限り、概ね前年以上に販売が伸長している。春以降6月までの需要が伸びなかった分、在庫の販売が進んだことと出荷のギャップが大きかったといえそうだ。
冷蔵庫は465億円(同95.4%)と6ヶ月連続のマイナスとなり、洗濯機は333億円(同83.9%)と7ヶ月ぶりのマイナスとなった。
JEMAによると、民生用電気機器全体では、製品価格の上昇による消費者マインドの冷え込みや、外出機会の増加によるサービス消費へのシフトにより、前年同月を下回ったとしている。

白物家電 冷蔵庫

【2023年7月度の主要製品の国内出荷台数】

●ルームエアコン
110.6万台(前年同月比76.2%)で2ヶ月連続のマイナスとなった。販売は好調ながら出荷は台数・金額とも伸びなかった。
●冷蔵庫
38.6万台(同96.9%)で9ヶ月連続のマイナスとなった。「401L以上」の大型クラスは16.1万台(同88.9%)で、8ヶ月連続のマイナスとなった。
●洗濯機
35.0万台(同81.7%)で4ヶ月ぶりのマイナスとなった。ドラム式が約8割を占めている洗濯乾燥機は11.0万台(同83.4%)となり、4ヶ月ぶりのマイナスとなった。
●掃除機
38.2万台(同86.9%)で5ヶ月連続のマイナスとなった。
●電子レンジ
22.8万台(同122.3%)で4ヶ月ぶりのプラスとなった。そのうち「オーブンレンジ」は15.2万台(同124.1%)となり、2ヶ月連続のプラスとなった。
●ジャー炊飯器
31.4万台(同87.5%)で8ヶ月連続のマイナスになった。全体の約7割強が「IH方式」で占めている。
●IHクッキングヒーター
4.8万台(同82.9%)で4ヶ月連続のマイナスになった。「2口以上ビルトイン型」は4.5万台(同82.4%)で、4ヶ月連続のマイナスとなった。
●その他の製品
全般的に前年同月比ではマイナスになっているが、ヘアドライヤーは36.7万台(同115.1%)と2ヶ月連続プラス、電動歯ブラシは16.2万台(同107.5%)と3ヶ月連続のプラスになった。新型コロナ禍では行動制限の影響でマイナス傾向にあった理美容・健康関連だが、外出の機会が増え、販売も好調になってきた影響といえる。

出典元:日本電機工業会