【家電量販店月次売上】4月は量販店によってバラツキ出る

家電量販企業大手7社のうち、IR情報として月次売上速報を公表しているのはビックカメラ、ケーズホールディングス、エディオン、上新電機、コジマ(ビックカメラの子会社）、ヤマダホールディングス（セグメント別）の6社。いずれもPOS受注売上ベースの数字であり実際の販売額とは合致せず通期の売上等とも異なるが、家電量販企業の足下の販売動向や月々の変化などを知る上で重要な情報となる。
2025年4月度の月次売上速報が出そろった。

※出典:各家電量販企業のWebサイト・IR情報。数字は売上POSデータに基づいて作成したもので、速報値であり決算等の数字とは異なります。ご注意ください。

家電量販企業6社の4月度売上速報

4月は新年度のスタートであり、進学や就職によって新生活を始めてから、必要性を感じて小物家電や調理家電、趣味性の高い商品を買い求める時期でもある。パソコンや携帯電話の買い替え需要もあり、白物家電の買い替えも期待できるタイミングであり、夏の繁忙期に向けて弾みをつけたいところ。結果的には、家電量販店によってばらつきがあり、月次売上を公表している6社でも、前年比アップが3社、ほぼ横ばいともいえるが前年比でダウンしたのが3社となった。月末は大型連休の始まりであり、客足が伸びてほしいところだが、食料品をはじめとして物価上昇が続いており、節約志向の強まりによる買い控えにつながる懸念を抱えている。

ビックカメラ

■月次売上(前年同月比)

2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月	2025年 4月
108.6	112.4	109.9	102.6	99.6	104.0	108.5	107.9	106.7	105.7	100.6	99.9

■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月	2025年 4月
音響映像商品	113.0	117.6	123.2	98.4	99.9	102.1	109.1	110.9	113.9	103.0	92.9	91.5
家庭電化商品	101.5	109.0	105.1	102.5	100.6	101.7	111.3	112.3	106.8	103.5	99.1	100.4
情報通信機器商品	117.2	114.5	109.0	107.6	98.3	116.4	107.9	110.0	105.2	110.9	104.5	109.9
その他の商品	108.5	112.1	109.2	101.7	94.9	97.3	105.1	98.9	103.1	104.9	104.0	95.0

ビックカメラの4月度は99.9％とほぼ前年並みであったが、前年同月比プラスは7ヶ月ぶりにストップした。
月次売上速報によると、「音響映像商品」は前月同様にテレビや音響アクセサリーがやや低調で、これまで好調に伸びていたデジタルカメラが低調に。「家庭電化製品」は調理家電やエアコン、理美容家電が堅調だったものの、冷蔵庫や洗濯機がやや低調だった。「情報通信機器商品」はパソコン周辺機器やスマートフォンが好調で、パソコン本体は堅調に推移。「その他の商品」は医薬品や酒類、寝具が好調で、時計やスポーツ用品が堅調。一方、玩具がやや低調でゲームが低調だったとしている。

ケーズホールディングス

■月次売上(前年同月比)

2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月	2025年 4月
99.6	111.3	99.3	97.9	99.9	93.0	104.1	105.8	101.3	100.1	101.8	99.7

■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月	2025年 4月
テレビ	98.2	106.7	105.1	96.0	95.3	93.3	98.1	102.5	92.7	93.9	98.4	97.8
パソコン・情報機器	88.7	101.3	89.6	91.3	91.3	89.3	98.3	101.7	105.8	106.3	106.8	119.9
冷蔵庫	84.9	104.4	89.6	93.0	101.9	93.0	102.7	101.3	94.1	92.2	104.7	93.9
洗濯機	93.3	99.8	94.1	106.5	105.4	98.7	107.5	105.5	102.9	101.1	102.1	96.9
クリーナー	109.5	107.7	94.7	102.1	106.4	86.4	96.4	104.4	107.5	101.0	100.4	102.6
調理家電	99.3	110.3	99.9	108.1	105.5	93.7	106.3	106.4	101.3	103.0	102.7	106.4
理美容・健康器具	98.7	114.3	106.8	109.8	108.0	100.6	114.1	108.5	97.8	99.2	103.9	102.6
エアコン	102.5	125.9	104.9	85.1	95.7	84.8	107.4	115.7	109.4	109.4	106.3	95.9

ケーズホールディングスの4月度は99.7％となり、6ヶ月ぶりのマイナスとなった。
商品別では、冷蔵庫や洗濯機、エアコンといった白物家電が前年同月比90％台と苦戦したものの、パソコン・情報機器は119.9％と2ケタプラス、調理家電やクリーナーもプラスになった。
店舗状況は出店が2店舗(大阪府)あり、退店が2店舗(茨城県、神奈川県)あったため月末店舗数は556店となっている。

エディオン

■月次売上(前年同月比)

	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月	2025年 4月
全店	101.1	117.6	104.9	110.8	104.4	100.0	103.4	102.3	103.2	105.2	106.7	101.1
直営店	100.7	117.9	104.4	111.5	104.7	99.5	103.3	102.4	103.1	105.3	107.0	101.9

■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月	2025年 4月
テレビ	95.7	116.1	104.8	106.9	96.4	98.1	95.4	94.1	99.8	98.7	99.8	97.6
エアコン	91.5	127.4	110.0	113.7	113.2	102.5	112.1	112.4	104.8	119.2	111.8	114.3
冷蔵庫	96.2	101.0	89.0	92.6	98.4	98.1	97.9	99.3	95.2	97.2	105.0	96.8
洗濯機	97.4	108.6	95.0	105.7	101.4	98.5	104.0	101.3	98.1	101.5	100.0	93.1
パソコン	84.6	100.7	83.8	100.8	89.6	87.0	94.6	101.2	95.4	110.3	113.2	107.7
ELS事業 (リフォーム計)	110.7	122.0	105.8	116.7	112.8	110.8	97.6	94.5	93.0	94.4	98.2	83.6

エディオンの4月度は全店で101.1％、直営店で101.9％といずれも6ヶ月連続のプラスとなった。
商品別では前年割れのものもあったが、エアコンが114.3％と依然好調に推移しており、パソコンも107.7％と3ヶ月連続のプラスになっている。
店舗状況は出店が直営で1店舗(愛知県)、FC店舗で1店舗あり、退店がFC店舗で4店あったため月末店舗数は1,188店となっている。

上新電機

■月次売上(前年同月比)

2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月	2025年 4月
90.3	108.6	99.6	106.5	72.8	99.5	81.9	107.5	109.6	116.2	115.2	105.9

■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月	2025年 4月
テレビ	92.7	112.2	104.4	109.2	57.0	98.0	67.7	107.1	108.1	109.6	102.7	96.9
パソコン	92.9	109.3	89.1	109.5	56.8	98.0	68.1	109.8	115.1	119.1	116.1	114.3
携帯電話	117.3	141.8	104.0	122.1	106.4	111.3	108.2	107.9	158.6	151.1	141.2	137.7
エアコン	89.8	125.1	108.7	103.0	70.5	122.0	75.7	128.7	131.5	140.0	115.9	117.9
冷蔵庫	92.0	103.1	91.9	95.9	59.4	103.8	67.4	113.1	109.7	104.4	106.0	91.5
洗濯機・クリーナー	93.6	102.0	93.2	111.8	70.2	108.5	76.0	113.2	105.2	114.3	107.9	98.6

上新電機の4月度は105.9％で、5ヶ月連続のプラスとなった。
商品別では携帯電話が137.7％と依然として好調さが続いており、パソコンも114.3％とプラスが続き、同様にエアコンも117.9％と2ケタプラスが5ヶ月連続と好調。
店舗状況は出退店ともなかったため月末店舗数は218店となった。

コジマ

■月次売上(前年同月比)

	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月
既存店	107.9	103.9	112.1	103.2	102.9	105.5	101.8	108.0	106.1	108.9	109.9	107.1
全店	109.1	105.4	113.9	103.2	102.5	104.5	100.2	106.9	105.5	108.1	108.8	106.5

■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月	2025年 4月
テレビ	103.5	123.2	123.3	98.4	107.2	98.4	99.8	108.7	96.2	93.1	90.2	97.1
冷蔵庫	104.3	108.9	96.2	100.5	101.9	107.7	99.6	98.9	94.1	92.0	89.0	94.2
洗濯機	98.0	100.8	94.1	105.5	107.5	93.0	108.1	102.4	102.1	103.1	97.5	104.9
エアコン	117.8	116.1	100.9	91.7	96.0	105.5	112.6	120.4	116.2	121.5	102.2	101.5
掃除機					93.7	87.6	94.4	95.7	98.9	98.0	91.9	99.8
パソコン （本体のみ)	93.9	106.9	93.9	98.1	87.6	92.2	102.4	93.8	103.2	106.1	102.8	112.7
携帯電話	119.8	142.0	110.8	124.7	126.6	112.3	121.0	107.3	163.2	148.3	136.9	134.6

コジマの4月度は既存店が105.2％、全店が105.1％となり、全店は15ヶ月連続、既存店も14ヶ月連続でプラスが続いている。
月次売上速報によると、携帯電話やパソコンの好調さがけん引役となり前年を上回った。洗濯機はドラム式洗濯機が好調に推移した。
パソコンはWindows10サポート終了が近づき買い替え需要が好調だったのに加え、新生活に伴うタブレット需要があり、前年を大きく上回った。携帯電話は引き続き販売施策の影響で好調だとしている。
また、太陽光・蓄電池が東京都で行われている補助金の影響で前年比291.7%と大きく伸びている。
店舗状況は新店でコジマ☓ビックカメラ コーナン西東京田無店(東京都)があり、月末店舗数は141店となっている。

ヤマダホールディングス(デンキセグメント)

■月次売上(前年同月比)

	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月	2025年 1月	2025年 2月	2025年 3月	2025年 4月
デンキセグメント	99.3	110.9	98.7	101.5	104.3	97.5	104.5	102.8	108.6	105.5	106.7	99.8

ヤマダホールディングスの電気セグメント4月度は99.8％と6ヶ月ぶりのマイナスとなった。
月次速報によると、パソコンや携帯電話といった情報機器や家具・インテリア、リフォームは前期を上回る実績となった一方、生活家電の売上が伸び悩み、特にエアコンは前年が補助金や気温の上昇によって北海道・東北地区で特需があった反動により、全体実績を押し下げる要因になったとしている。
店舗状況は直営店のみの公表で出店が4店舗あり、退店が1店舗あったため月末店舗数は952店となっている。売場面積は、IDC OTSUKA 池袋ショールーム等のオープンによって増加している。