白物家電2023年度出荷額は2年ぶりマイナス

日本電機工業会(JEMA)は2023年度の民生用電気機器の国内出荷実績を発表した。
2023年度計(4月-3月)の国内出荷金額は2兆5,245億円、前年度比97.6%と2年ぶりのマイナスとなった。

民生用電気機器 国内出荷金額 2023年度

出荷額は微減にとどまるが、市場縮小に懸念

JEMAによると、外出の機会がコロナ禍以前の水準に戻り、旅行・外食等のサービス消費へとシフトしたことや、物価高騰により節約志向が強まったことが影響した。一方で、製品単価の上昇による出荷金額の押し上げがあり、直近の10年平均(2兆4,128億円)を上回る水準は維持したという。

【2023年度の主要製品の国内出荷台数】

●ルームエアコン
877.5万台(前年度比96.8%)で3年連続のマイナスとなった。2023年の夏は記録的な猛暑であったが、前年が高水準だったため、その反動を受けた。その結果、年度計では前年を下回り、7年ぶりに900万台を割った。
●冷蔵庫
344.5万台(同95.1%)で3年連続のマイナスとなった。冷蔵庫の約45%が「401L以上」の大容量クラスとなっている。
●洗濯機
415.0万台(同96.7%)で3年連続のマイナスとなった。
「ドラム式洗濯乾燥機」は95.9万台(同101.9%)とプラスとなり、年度では4年連続の過去最高の出荷台数を更新した。
●掃除機
539.2万台(同94.1%)で4年ぶりのマイナスとなった。
「スティック形」は吸引力や軽量化の強化した製品がユーザーの支持を集めており、掃除機に占める構成比は10年連続で伸長し、全体の7割に届くまでになっている。
●電子レンジ
316.0万台(同89.7%)で2年連続のマイナスとなった。
幅広い調理機能を備えた「オーブンレンジ」は人気が高く、電子レンジの約66%を占めている。
●ジャー炊飯器
454.4万台(同93.8%)で4年連続のマイナスとなった。
ジャー炊飯器の約73%を「IH方式」が占めており、ご飯の食味や食感を追求した高機能製品の需要は継続している。
●IHクッキングヒーター
60.3万台(同82.5%)で2年ぶりのマイナスになった。
IHクッキングヒーターの約95%が「2口以上ビルトイン型」となっている。

出典元:日本電機工業会